中外製薬のニュースリリースは、当社関連の最新情報をステークホルダーの皆様にお伝えするために実施しています。医療用医薬品や開発品の情報を含む場合がありますが、報道関係者や株主・投資家の皆さまへの情報提供を目的としたものであり、これらはプロモーションや広告、医学的なアドバイス等を目的とするものではありません。

2019年09月20日

テセントリク、PD-L1陽性の手術不能又は再発トリプルネガティブ乳がん(TNBC)への適応拡大および840 mg製剤の剤形追加に関するお知らせ

  • 免疫チェックポイント阻害剤として、国内で初めてPD-L1陽性トリプルネガティブ乳がんに対して承認を取得

 ForGoPRO(本社:東京、代表取締役社長 CEO:小坂 達朗)は、改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「テセントリク®」[一般名:アテゾリズマブ(遺伝子組換え)]に関し、「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」の適応拡大および840 mg製剤の剤形追加について、本日、厚生労働省より承認を取得しましたのでお知らせいたします。840 mg製剤につきましては、今回承認を取得した乳がんにおける用法・用量が840 mgを2週間間隔での投与であるため、至適用量製剤として開発を行いました。

 PD-L1発現状況の確認は、の病理検査用キット「ベンタナ OptiView PD-L1(SP142)」によって行います。ベンタナ OptiView PD-L1 (SP142)は、テセントリクのPD-L1陽性の乳癌の適応判定を補助するコンパニオン診断として、2019年8月20日に適応拡大の承認を取得しました。

 上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメント共同ユニット長の伊東 康は、「このたびテセントリクが免疫チェックポイント阻害剤として、国内で初めてPD-L1陽性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する治療薬として承認されたことを大変嬉しく思います」と述べるとともに、「TNBCは進行が早く、これまで治療選択肢が限られていましたが、今回の承認により新たにがん免疫治療ベースの治療法を提供することが可能となります。本治療を通じて、患者さんに貢献できるよう活動をおこなっていきます」と語っています。

 今回の承認は、第III相臨床試験であるIMpassion130試験の成績に基づいています。IMpassion130試験では、テセントリクと化学療法[パクリタキセル(アルブミン懸濁型)]の併用は、ITT(Intent to treat)解析集団およびPD-L1陽性集団において、化学療法[パクリタキセル(アルブミン懸濁型)]単独に比べ主要評価項目であるPFS(無増悪生存期間)の延長を示しました(ITT集団 PFS中央値:7.2カ月 vs 5.5カ月、ハザード比:0.80、95%信頼区間:0.69-0.92、p=0.0025)(PD-L1陽性集団 PFS中央値:7.5カ月 vs 5.0カ月、ハザード比:0.62、95%信頼区間:0.49-0.78、p<0.0001)。もう一つの主要評価項目であるOS(全生存期間)は、第2回中間解析時点では、ITT解析集団における全生存期間(OS)の延長について、統計学的な有意差は認められませんでした[OS中央値:21.0カ月 vs 18.7カ月、ハザード比:0.86、95%信頼区間:0.72-1.02、p=0.078]。一方、PD-L1発現が認められる患者さんにおいて、臨床的に意義のあるOSの延長が認められたものの、階層構造に基づいて統計解析を行う試験デザインであることから、今回のPD-L1発現が認められる患者さんにおけるOSの解析は検証的な位置づけではありません[OS中央値:25.0カ月 vs 18.0カ月; ハザード比:0.71、95%信頼区間:0.54-0.93]。一方フォローアップは次回の計画されている解析まで継続されます。テセントリクと化学療法の併用療法による安全性プロファイルは、これまで各薬剤で認められている安全性プロファイルと一致しており、本併用療法で新たな安全性のシグナルは確認されませんでした。

IMpassion130試験について
 IMpassion130試験は、全身薬物療法を受けていない切除不能な局所進行または転移性TNBCの患者さんを対象に、テセントリクと化学療法[パクリタキセル(アルブミン懸濁型)]の併用と、化学療法[パクリタキセル(アルブミン懸濁型)]単独を比較し、有効性ならびに安全性、薬物動態を検討した多施設共同無作為化プラセボ対照の二重盲検国際共同臨床試験です。本試験の主要評価項目は主治医評価によるPFSとOSです。両主要評価項目はITT解析集団およびPD-L1の発現が認められる患者さんにおいて評価されています。副次評価項目は奏効率ならびに奏効期間、患者さんの全体的な健康状態/Health-Related QoLの悪化までの期間です。

【参考情報】
テセントリク®とパクリタキセル(アルブミン懸濁型)の併用は、PD-L1の発現が認められる転移性トリプルネガティブ乳がん患者さんの一次治療での転帰を改善(2018年10月22日発表プレスリリース)
http://forgopro.com.ua/news/detail/20181022160000_777.html

抗PD-L1抗体「テセントリク®」 乳がんへの適応拡大および剤形追加に対する承認申請について(2018年12月21日発表プレスリリース)
http://forgopro.com.ua/news/detail/20181221153000_801.html

ロシュ社は乳がんポートフォリオの臨床試験成績を米国臨床腫瘍学会(ASCO)2019年次総会において発表 (2019年6月7日発表プレスリリース)
http://forgopro.com.ua/news/detail/20190607163001_857.html

テセントリク840 mg製剤薬価収載前の無償提供について
 中外製薬は、治療選択肢が極めて限られているPD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌の治療法として患者さんの緊急の要望にお応えするために、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもと、本剤の無償提供を実施いたします。無償提供は、適正使用の観点より、本剤の開発治験(IMpassion130試験)参加医療機関に限定して、承認された効能・効果、用法・用量に従ってのみ使用すること、弊社が実施する適正使用推進等の各種安全対策にご協力いただけることを条件に実施いたします。また、提供は製造販売承認取得日以降速やかに開始し薬価収載前日に終了いたします。

無償提供の実施施設 日本国内の治験実施医療機関のうち、希望があったご施設
無償提供の実施期間 承認日から薬価収載前日まで

 オンコロジー領域の国内トップ製薬企業である中外製薬は、テセントリクが新たな治療選択肢の一つとなり、患者さんと医療従事者の皆さまに貢献できるよう、医薬品のアクセスに対する取り組みおよび適正使用の促進に取り組んでまいります。

添付文書情報 ※下線部分が追加

販売名: テセントリク®点滴静注840 mg
テセントリク®点滴静注1200 mg
一般名: アテゾリズマブ(遺伝子組換え)
効能・効果: <テセントリク点滴静注840 mgの場合>
  • PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌
<テセントリク点滴静注1200 mgの場合>
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 進展型小細胞肺癌
用法・用量:
  • 化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
    カルボプラチン、パクリタキセル及びベバシズマブ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
  • 化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合
    通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
  • 進展型小細胞肺癌患者の場合
    カルボプラチン及びエトポシドとの併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回1200 mgを60分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
  • PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌患者の場合
    パクリタキセル(アルブミン懸濁型)との併用において、通常、成人にはアテゾリズマブ(遺伝子組換え)として1回840 mgを60分かけて2週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
薬価: テセントリク®点滴静注840 mg 薬価基準未収載
テセントリク®点滴静注1200 mg 625,567円/1バイアル
承認条件:

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

<化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

トリプルネガティブ乳がんについて
 日本人女性における乳がんの年間罹患者数は86,500人(2018年予測値)、また死亡者数は14,800人(2018年予測値)と推計されています。トリプルネガティブ乳がんは、全乳がんの約15%を占め、他のタイプの乳がんに比べ、50歳未満の女性に多いことが特徴です。トリプルネガティブ乳がんは、ホルモン受容体(エストロゲン受容体およびプロゲステロン受容体)の発現やヒト上皮成長因子受容体2(HER2)の過剰発現を伴わない悪性腫瘍と定義され、他のタイプの乳がんに比べ一般的に増殖能が高く、生存期間が短くなると言われています。

テセントリクの国内承認状況について
 2018年4月に「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」を効能・効果として販売を開始し、同年12月に「化学療法未治療の扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」、2019年8月に進展型小細胞肺癌」に対する効能・効果、用法・用量の追加について承認を取得しています。

以上

出典

  • 国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」 アクセス日:2019年8月
  • Abramson VG et al. Subtyping of triple-negative breast cancer: implications for therapy. Cancer. 2015; 121(1):8-16. 3.
  • Cancer Center. Triple negative breast cancer risk factors. [Internet; cited 2018 May 24]. Available from: アクセス日:2019年8月.
  • Pal SK et al. Triple negative breast cancer: unmet medical needs. Breast Cancer Res Treat. 2011;125(3):627-636.
  • American Cancer Society. Breast Cancer Facts & Figures 2013-2014
  • Lehmann BD et al. Identification of human triple-negative breast cancer subtypes and preclinical models for selection of targeted therapies. J Clin Invest. 2011;121(7):2750-67.

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投資家の皆様
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テセントリク薬価収載前無償提供に関するお問い合わせ

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